2008年6月2日月曜日

【書評】神様のパズル

SFはほとんど映像で楽しんできた。フィリップ・K・ディックの「トータルリコール」も「マイノリティ・リポート」も、アーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」も映画で観たし、ディープ・スペース・ナインは深夜放送を楽しみに観てた。
機本伸司「神様のパズル」は、第3回小松左京賞受賞作品。映画化されてタイトルが目につくようになって以前から気になったので手に取ったけれど、SF小説って実はちゃんと読むのは初めてかもしれない。

映画のほうは観ようと思ったら早々に終了していたので興行的に成功したのかどうか知らないけれど、少なくとも本書は小説として楽しめる以上に、宇宙、世界、そして「自分」とは何かを考えるキッカケを与えてくれる。

話はある老人の「宇宙は”無”からできたというのは本当か?」という問いから立ち上がる。

以下、強く信号(共感)を感じた部分。
・老人も先生も天才少女も行動原理に「自分を知りたい」という根源的欲求があることに共感できる。自分もそうだ。アプローチが違うだけでね。
・主人公と天才少女の「なんでもいいから話してくれ」とか「自由連想方式で話してみたらどうだ」ってやり取りが好き。天才で博識ですごい思考力があっても1人でできることには限界があって、他者とのインタラクションの中にしか生まれないものがある。「みんなで手を動かしながら考える」ことの重要性が再認識。
・モーツァルトの合唱を、説明できないものの対象にしてるとこもよい。芸術ってほんとなんなんだろ。

あと、ディベートのシミュレーションを1人で黙々とやってるとこも好感度アップ。頭の中だけで考えてるんじゃなくて身体を伴ってるとこがよかった。思考ってやっぱり泥臭いことの連続だよね、天才でも(笑)

本編には関係ないけど、このファンシーな表紙よりも別の方向性を探った方が売れるんじゃないかな?(笑)

神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司
角川春樹事務所
売り上げランキング: 28312
おすすめ度の平均: 4.0
4 内容の理系部分は一切理解できなかったけど、、、
4 かなり無理がある設定だが……
4 自分を知るために宇宙を知る
2 評価しにくい作品
3 天才が孤独?どう孤独なのかさっぱりわからない

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