第77回アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞作。"brothels"は売春宿を意味します。アメリカでもR指定で、日本では未公開の作品なのですが、ニューヨークのメガストアで購入しました。イギリス人フォトグラファーのザナ・ブリスキという女性が、カルカッタの売春窟で生まれ育った子供たちに、教育を得る機会を与えようと奔走する姿を追ったドキュメンタリーです。フォトグラファーである彼女が取った行動は、子供たちにカメラを与え写真の撮影方法を教えることから始まります。初めてカメラを持った8人の子供たちはそれぞれの感性で写真を撮り、ザナは良い写真があれば、その写真のどこが良いかを丁寧に子供たちに教えていきます。子供たちは、カメラという自己の世界の表現手段を得て、感性の趣くままにそれぞれの世界観を表現していきます。本当に、写真を撮っているとき、お互いの写真を見せあっているとき、心の底からの笑顔をみせます。
でも、家に帰れば水汲みや家事や商売の手伝い等の肉体労働が彼ら/彼女らの仕事であり、奴隷のように扱われている子もいます。ザナは、ここで働くことしか選択がない子供たちに教育を受けさせようと考えます。しかし大人たちにとって、子供たちは労働力。子供たちが教育を受けるということは、長期間の投資を意味します。働き手を失うことは大人たちにとって恐怖。子供たちが教育を受けた後に、医者や弁護士やアーティストになって大きな収入を得る未来を想像することは、何十年もその世界で生きて来た人たちにはできない。実際問題、今日、そして明日生きることが大きな問題である彼らの多くは、ザナの行動に協力的にはなれません。
ザナは子供たちの撮った写真を持ってニューヨークで展覧会を行い、ユネスコのカレンダーに彼らの写真を使うことで、寮付きの学校に通わせる資金を得ます。自分のできることを最大限に活かし、実行した彼女の行動力は素晴らしいです。最後に、8人の子供たちの現在の状況が流れるのですが、8人のうち、3人の子供は現在も学校に通って勉強を続けていますが、残念ながら5人は家族によって学校から連れ戻されたり、自分の意思で再び売春窟に戻ってしまいます。ザナとの出会いによって新たな未来を選べるようになった子もいれば、そこから抜け出せなかった子もいます。
私の母は、小さい頃から本を積極的に与えてくれ、勉強に関する本であれば惜しむこと無く出資してくれました。常に子供の選択を尊重してくれた両親について、日本の環境について考えさせられました。そして、未来を生きる子供たちにとって、自分が何ができるのか考えていきたいと思います。

2 件のコメント:
Born into brothels
観てみたいです!子供たちが撮った写真を少し見ることができたんですけど、どれも飾ってなくてそのままで、見ていてホッとしました。でもその背景にある問題をしっておくことは大切だと思います。日本でも公開してほしいです。
カンボジア行った時、片足のない小さい女の子に細く小さな声でお金がほしいといわれたとき、なにもできなかったことを思い出しました。
今年の初夏に公開される映画です。
「それでも生きる子どもたちへ」
http://kodomo.gyao.jp/
これもきっと考えさせてくれる映画だと思います^^
コメントありがとうございます。嬉しいです!ご覧になったのはこれかな?kidsgallery
そうですね。その視線の奥底にあるものを知る努力はしたいと思います。
「それでも生きる子どもたちへ」のサイト見てみました。観たいです!公開が楽しみですね。
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